日々閑談

ノミバエ 首切り虫の残酷な生き方

ホラー注意です。 南米のある日。 アリはいつものように巣から出ていくと腹に痛みを感じた。 そこには小さなハエが居てこの痛みの原因のようだった。走り距離を空け何とか難を逃れるといつも通りの業務に戻った。餌を探し、仲間と隊列を組み、時には大きな敵…

マツカサウオ 停電で見つかった意外な特徴

この時期になると気に茶色の松かさ(松ぼっくり)を見かけます。 ちなみに地面に落ちた松ぼっくりはかさが開いていますが、ここに種が入っていました。それらを飛ばし役目を終えたものが地面に落ちてくるのです。ただ落ちるタイミングというものは決まってい…

ハルキゲニア② どっちが上でどっちが下!?古生物学者も頭を抱えた生物

この記事は takenaka-hanpen.hatenablog.com の続きです。前半がまだの方はこちらをご覧ください。 それではハルキゲニアの変遷を追っていきましょう。 1970年代になると新しい属としてハルキゲニアの名前がつきます。実はそれまでは既に存在していたカ…

ハルキゲニア① どっちが上でどっちが下!?古生物学者も頭を抱えた生物

古生物はお好きでしょうか。 古生物とは遠い過去の時代に存在していた生物のこと。 主に生存していた地質時代によって分類されます。代表的な地質時代と言えばジュラシックパークのタイトルにも使われた中生代のジュラ紀だったりするでしょうか。ちなみに現…

インフルエンザ菌 あの病気の原因と勘違いされた菌

最近新聞でもインフルエンザの名前を多く見るようになりました。週ごとに患者数が増えているようでこの傾向は続くようですね。 先に断っておきます。 巷を騒がしている流行性感冒インフルエンザはウイルス性の疾患で病原体はインフルエンザウイルスです。な…

ロクショウグサレキンモドキ 木が青く染まっていく

今回の記事ではロクショウグサレキンモドキをご紹介します。 漢字で書くと緑青腐れ菌もどきなので名前からして渋滞を起こしています。 最初に言っておきますがキノコです。 緑青(ロクショウ)とは銅が参加した際に形成される青錆びのことです。皆さんも古い…

ハネジネズミ 限りなくネズミに近い姿のどちらかと言えばゾウに近い生き物

皆さんは世界最小のゾウをご存知でしょうか。 それはボルネオゾウです。ボルネオピグミーゾウとも言います。 ちなみにこのピグミーとはホメロスの書いた『イリアス』に出てくる小人族ピュグマイオイに由来します。肘から指先までの大きさおよそ35cmほど…

牛乳 どうしてバターは黄色なのか?

牛乳からバターやチーズができるのは何だが納得がいかないと思いませんか? 最初は白色だったのにどうして最終的に黄色になってしまうのでしょうか。 実は結論から言ってしまうと牛乳は黄色の液体です。これは牛乳に含まれたカロテノイドの色です。なのでバ…

プラチナコガネ 空飛ぶ貴金属

コガネムシは日本でも一般的な甲虫で都市部に暮らしていてもその姿をよく確認することができます。 何気なく観察して見ると緑のものが居たり、赤っぽいものが居たり、黒い背中に白い斑点が浮き出ているものなどそのバラエティーの豊富さに驚かされます。 ち…

ロクロクビオトシブミ 妖怪の名前をもらった昆虫

皆さんはオトシブミと言う昆虫をご存知でしょうか。 漢字で書けば落とし文となります。辞書を見てみますと何やら言いにくいことを書いて人目のないうちに落っことしておくと言った少し後ろめたい印象の言葉のようです。 何とも殺伐としていますね、脅迫や風…

ミラー・オーキッド ハチにそっくりな花で誘惑する

ミラー・オーキッド ハチにそっくりな花で誘惑する 春になると色とりどりの花が咲くので見ているだけ楽しくなります。 この色はただ美しいだけではなく花粉を運んでくれる生物へのアピールになっています。ここに美味しい蜜がありますというのを表しているわ…

アリマキとアリ 支配者は誰なのか?

アリ植物というものをご存じでしょうか? アリ植物はアリと共生するのを選んだ植物の中でも特にいつも離れず一緒に暮らすようになったものを指します。熱帯域に生息しており日本ではまだ厳密にこれだという種は存在が確認されていません。 アリが棲むための…

江戸時代憧れの口紅は緑色だった!? 笹紅色

谷崎潤一郎の『陰影礼賛』の感想を書いたのですが、その中に気になる記述がありました。それは「そして私が何よりも感心するのは、あの玉虫色に光る青い口紅である」と「古人は女の赤い唇をわざと青黒く塗りつぶして、それに螺鈿を鏤めたのだ」という表記で…

やる気を出させる寄生虫? トキソプラズマ

やる気を出させる寄生虫? トキソプラズマ 寄生虫にはいくつかの種類の動物を経由して生活するものが居ます。 最終的に卵を産み次世代を残すことが可能になる宿主を最終宿主、途中で成長や休眠をして機会を待つ際の宿主を中間宿主と言います。今回ご紹介する…

計算できる馬!? クレバー・ハンス

計算できる馬!? クレバー・ハンス 1904年、ドイツはある馬の話題で持ちきりでした。 その名はハンス、この雄馬は飼い主であるフォン・オステン(元中学校の数学教師)から教育を施された結果、四則演算に加え、時計の読み方、カレンダーの読み方を理解するよ…

明治時代の白人落語家 快楽亭ブラック

明治時代の白人落語家 快楽亭ブラック 落語はもともと落ちのある話ということでその名がついたそうです。江戸時代初期に安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)が始め現代まで続いている日本の伝統的な演芸のひとつですが、最近では桂三輝(サンシャイン)さんやダ…

敵に見つかれ白と黒の戦艦 ダズル迷彩

敵に見つかれ白と黒の戦艦 ダズル迷彩 1914年6月28日、サラエボでオーストリア皇太子夫妻が暗殺されました。 これはオーストリアの一方的なボスニア・ヘルツェゴビナ併合に対してのセルビアの怒りが爆発したものだったようです。 7月28日にはオーストリアが…

タロとジロと一緒に南極へ行った猫 たけし

タロとジロと一緒に南極へ行った猫 たけし 人類は文明を発展させ様々な場所で繁栄してきましたが、それでも人類の棲息にはあまりにも過酷な土地というのが地球中には存在します。南極もまたその一つに数えて良いでしょう。 南極での奇跡的な生還を果たしたタ…

島を食べる虫?_ナナツバコツブムシ

島を食べる虫?_ナナツバコツブムシ 広島県東広島市安芸津町赤碕の沖にある小さな島,ホボロ島に奇妙な現象が起きています。何と島があれよ、あれよという間に小さくなっていっているというのです。もちろん雨風に曝されているのですから、多少の変化はある…

キソウテンガイ__唯一無二の奇想天外な植物

キソウテンガイ_唯一無二の奇想天外な植物 珍しい名前の植物は数多くあれども、ここまで直球の名前も珍しいのではないでしょうか? アフリカ南西部の砂漠に自生する裸子植物で、ナミビアの国花でもあるWelwitschia mirabilisは、その珍しさからキソウテンガ…

だんだん植物のようになっていくウミウシ_盗葉緑体現象

盗葉緑体現象 生物学では何かを食べなければ生きていけない生物を従属栄養生物といいます。食物連鎖の頂点に立つライオンやワシでさえ食べるものが無ければ生きてはいけません。そういう意味では皆食べ物に従属、つまり依存しなくては生きていけないのです。…

雑草あれこれ_外来生物のしたたかな生存戦略

雑草あれこれ 暖かくなったと思えば急に冷え込む日が続いています。 本日はそんな中でも臆することなく咲いている雑草に関してお話をしてみようかと思います。 外来種は動物だけではなく植物でも有名なものがあります。雑草として猛威を振るうセイタカアワダ…

細胞群体(定数群体)

細胞群体(定数群体) 単細胞と言えば取るにも足りない奴とか原始的で文明を理解していない奴といったイメージがあるようです。実際は細胞一つで命を維持できているのはすごいことなのですが、多細胞生物の方が優れているといった考えから派生してきたのでしょ…

ABO式血液型

人間の血液型でとくに有名なのはABO式血液型と言われるタイプです。 A型、B型、AB型、O型の4種類からなる。(もっと詳しく言えばAA、AO、BB、BO、OO、ABの6種類が存在し、Oの特性よりもAやBが優先され現れません。こういう遺伝情報を劣性遺伝子といいます。) …

チャタテムシ 微かな鳴き声

チャタテムシ 晩夏も過ぎた頃に、祖母の物置の整理をしているときに、段ボールの上を右往左往する1㎜にも満たない小さな虫の群れを見つけました。パッと見ただけでも100匹はいたのではないでしょうか。 段ボールの中には古い書籍や図鑑がたくさん入っていた…

現代だから読みたい『福翁自伝』 人はなぜ勉強するのか?に対する一つの理想。

現代だから読みたい『福翁自伝』 人はなぜ勉強するのか? 人はなぜ勉強するのでしょう? 日本紙幣の人物が変わったのが2004年だからもう14年も経過したことになります。 千円札は夏目漱石から野口英雄へ、五千円札は新渡戸稲造から樋口一葉へ、1万円札と言え…

現代だから読みたい『老子』のすすめ

世の中の価値観に疑問を持っている方、 『老子』を読んで見ませんか? 諸子百家の思想の中でひときわ異彩を放つのは『老子』ではないかと思っています。 大げさに言ってみましたが単に私が一番惹かれているだけかもしれません。 私は特に専門的な知識がある…

頭木弘樹さんの『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』——名言を比較する愉しみかたもある

名言集には色々な種類があるけれども、ゲーテとカフカを並べてみるという試みは意外でした。 けれども頷けます。というのもこの二人、非常に対照的で並べると実際面白い。 カフカの代表作は突飛な世界設定と展開が非常に魅力的で、主人公が突然虫になってし…

アシナシトカゲ

アシナシトカゲ 茂みをゆっくりと進んでいく長い姿、舌をチロチロと出しながら目をギョロリと動かします。そして上空から鳥の鳴き声が聞こえると身を縮こませ隠れます、しばらくすると隙間から這い出てまばたきをひとつ……。 よく見ると尻尾の先がまっすぐ切…

征夷大将軍

征夷大将軍 征夷大将軍と言えば?と聞かれたら誰をとっさに思い浮かべるでしょうか? 源頼朝、足利尊氏、徳川家康といったあたりが有名でしょうか。 幕府の長になった人はもれなく征夷大将軍になっているというわけですね。 さてそれでは日本史史上最初の征…