地球照__三日月なのに丸い月が見える……?
地球照__三日月なのに丸い月が見える……?
一昨日ふと空を見上げるときれいな三日月が浮かんでいました。
雲も少なく、星がその周辺に光っています。童話に出て来そうなくらい雰囲気が出ています。
しかし、見ているうちにあることが気になってきました。
どうもこの三日月、後ろにぼんやりとこげ茶のまるい影が見えるのです。見間違いかと思って眼鏡を拭いてみるも間違いなさそうです。丸いこげ茶の暗い月があり、その一部分が三日月型に光っている……?
何の知識もないので月食でもあったのかと家に帰って調べてみるもそのような記載は見つかりません。単に三日月がでるとだけでした。
最近のインターネットは便利なもので、「三日月 丸い」という矛盾した内容の検索で知りたい知識が引っかかってくれました
どうも地球照という現象だそうです。
そもそも月が日によって見え方が変わるのは、太陽と地球そして月の位置関係が変わることに由来しています。
月は丸いままですから物理的に形が三日月になったり、半月になったりは当然しません。あれは位置関係上生じる影なのです。
月、地球、太陽という位置関係なら、月は太陽の光を全面に受けています。この時は満月です。
一方で地球、月、太陽で並ぶ位置だと月が太陽光に当たっている部分の反対側しか見ることができませんから暗くて月が見えません、これが新月ですね。
このような位置関係のずれで月は新月から15日で満月になり、さらに30日目には再び新月になるわけです(正確には27.32日)。
つまり地球照は三日月の際に地球にあたった太陽光の反射で、太陽光を直接浴びている部分以外が照らされた状態だったのです。ちなみに月が新月に近ければ真ん丸な地球が見えるそうです。
地球が月の光を浴びているように、月もまた地球からの光を受け取っていたわけです。
そうなると月視点では、真ん丸な地球、半分しか見えない地球、爪型の地球という様々な表情を見せていることになります。なんとも壮大な風景ですね。
因みに月が満月の時にちょうど地球が太陽の光を遮るような関係になると、これが月食と言う現象になります。
実は太陽の軌道と月の軌道はずれているため太陽、地球、月が一直線になるというのは珍しいことなのです。日本で観測できるという条件を加えるとさらに厳しくなり月食だと、部分月食(つまり地球の影に月が部分的に重なる)ですが2019年1月6日まで待たなくてはいけません。
文字数に余裕があるのでもう一つ小ネタを。
月っていつも同じ面を地球に向けているのをご存知でしょうか?
天体望遠鏡で月を除くといつも同じ場所にクレーターなどの模様が確認できるのです。
月は地球の周りを一周しているのですが、じつは同じ周期で月自体も回転しているのです。
上に記した通り周期は27.32日。この日数で地球を一周し、まさに同じタイミングで月自身も一回転します。そうなると地球から見たとき常に同じ面を向けていることになるのです。
そんな月の隠された一面ですが、宇宙工学の技術進歩は著しく今や航空写真などで確認できてしまいます。すごい時代になったものです。
日本ではJAXAが開発した月周回衛星「かぐや」のホームページで色々な情報を見ることができます。
普段何気なく見ている月もまだまだ興味深い秘密をもっていそうです。
月の話はこちらでもしましたので、まだ見てない方はもしよかったらご覧になってみてください。
takenaka-hanpen.hatenablog.com