サンタクロース そもそも誰なのか?
今年もクリスマスがやってきます。
街中もクリスマス一色。大きなクリスマスツリーが立ち、電飾が施され綺麗に輝いています。そして近くのケンタッキー・フライド・チキンでもカーネル・サンダースがサンタの格好をしています。
赤い服に白い縁どり。サンタかウォーリーしか被っているのを見たことがない三角帽子。とにかく一目でサンタクロースだと分かるような秀逸なデザインです。
ところで皆さんはクリスマスはどういう意味かご存知でしょうか?
これは「キリストの生誕祭」を意味しています。
ということはあのクリスマスのお祭り気分はキリストのためのお祝いと言うわけです。
それでは、このサンタクロースとは一体誰なのでしょうか?
人の誕生日のお祭りに乗じて現れ、皆が寝静まった夜になるとこっそり人の家のなかに侵入し、決して名乗らずプレゼントをおいていくこの老人。こんな人がやってくるようではとてもお誕生日パーティーをしている状況ではない気もするのですが。
今回はこのサンタクロースとは何ものであったのかを見ていきたいと思います。
〇正体は聖人ニコラウス
4世紀ごろ東ローマ帝国時代のミラという場所で活躍した司教がモデルと言われているそう。敬虔な司教というだけではなく異端派との戦いでも活躍した彼は死後聖人に列せられました。この際に名前に聖人を意味するサンタがつけられるようになったそう。
こんな感じでサンタやサンクトといった言葉で始まる名前や地名が海外には多いがどれも「聖人」の意味を共有していることが多いわけです。例えばアメリカのサンタモニカは聖人モニカの町で、ロシアにあるサンクトペテルブルクも聖人ペテロの町があります。
そしてこのサンタ・ニコラウスがサンタクロースになります。
まさかニコラウスも聖人としてではなく、気前のいいおじちゃんとして毎年子どもにプレゼントを配る存在として期待されるようになるとは夢にも思っていなかったでしょうね。
〇どうしてプレゼントをするのか?
「ある時ニコラウスは、貧しさのあまり三人の娘を身売りしなければならなくなる家族の存在を知った。ニコラウスは真夜中にその家を訪れ、窓から金貨を投げ入れた。このとき暖炉には靴下が下げられていており、金貨はその靴下の中に入ったという。この金貨のおかげで家族は娘の身売りを避けられた」という逸話が残されている。」
参考文献:『サンタ・ウォッチング』デズモンド・モリス
こういった伝承があるらしく、そもそもサンタニコラウスは家のなかまでは入っていないし、窓から金貨を投げ入れる際に偶然靴下に入ってしまったそうです。
これが現在でも靴下の中にプレゼントを入れる習慣の由来になって続いているのですね。
〇ブラックサンタなんていうのもいるらしい
地域によってはサンタは2人来ることもあるそうです。
一方は立派な紅白調の司祭の服をまとった一般的なサンタクロース。
そしてもう一方は茶色の服を着たクネヒト・ループレヒト、通称ブラックサンタ。
サンタクロースはいい子にしていた子どもにプレゼントを渡しますが、このクネヒト・ループレヒトは悪い子にお仕置きをするのが役割です。
「いい子にしてないとサンタさん来ないわよ」なんて言葉は耳にしたことはありましたが、まさかこんななまはげみたいな奴まで来るとはクリスマスだからといってうかうかはしていられませんね。
と言うわけで今回はクリスマス前のサンタクロース調査でした。
ブラックサンタが来ないように願うばかりです。