ガラス 実はゆっくりと動いている、これは液体か固体か?

今日はガラスの特性についてです。

実は物理学の世界ではガラスは液体と固体の中間なんて言われたりします。

どう見ても固体な気がするのですが、一体ガラスはどういう理由で液体ともされているのか。そこら辺を見ていきたいと思います。

 

寒い日ありますが日光を取り入れることで結構部屋を暖かくすることができます。

寒い地域では二重窓などもあるそうで、幸いここはそこまで寒くないので一枚の薄いガラスに隔てられた寒空を見るにとどまっています。

とはいえ一部の窓には結露防止用のプチプチが貼ってあり景観も何もない状態なのですが、利便性のためにはしょうがないですね。

 

風を通さずそれでいて向こう側の世界がクリアに見えるガラス。

紀元前1世紀にはガラス窓を作っていたそう。ただこの頃は不透明で非常に分厚かったそう。中世になるとドイツでその技術が進歩していき透明なガラスになり平たい板状にすることができるようになりました。ただ大きさには限界がありこれを継ぎ接ぎして大きなものにしていたそうです。その中で流行したのがジグソーパズルのようにカラフルなパーツを合わせたステンドグラスです。

 

板ガラスは17世紀末にフランスで大きいものが作れるようになり、ヴェルサイユ宮殿にも取り入れらるようになりました。長い歴史の積み重ねが今のガラスを作っていることが分かります。

興味深いことに『妄想の世界史』によればガラスの普及によって自分の体がガラスのようにもろく、壊れてしまうという妄想に憑りつかれる人も増えたそうで思ってみない影響をあたえたようです。この人たちがガラスがない時代に生まれたら何に自分を例えたのかとても気になるところです。

 

ガラス自体は1300℃~1600℃で完全に液状になります。マグマのように赤く光っています。これが500℃~700℃になると粘り気を増していき、最終的に固まってしまいます。

じゃあやっぱり固体……とはいかず、実は古い遺跡などに行ってその窓ガラスを見てみると少しずつ垂れていっているのが観察できます。

つまりガラスは常温になっても非常にゆっくりとしたスピードですが移動しているのです。

 

一般的な固体は分子の配置は固定なはずが、ガラスはその配置がでたらめでしかも定期的にポジションを整えるために配置をし直しているようなのです。このせいでガラスは非常にゆっくりですが液体のように動く、そして固体のように固まるを繰り返していることになります。

結果ガラスは固体と液体の中間という存在であると言われるようになったのです。

身近にある物でも思ってもみないような特性を持っているものがあるというのは非常に興味深いです。

今もあなたの身の回りでもガラスは気づかないくらいのスピードで溶けていっているのです。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。