プラチナコガネ 空飛ぶ貴金属
コガネムシは日本でも一般的な甲虫で都市部に暮らしていてもその姿をよく確認することができます。
何気なく観察して見ると緑のものが居たり、赤っぽいものが居たり、黒い背中に白い斑点が浮き出ているものなどそのバラエティーの豊富さに驚かされます。
ちなみにコガネムシとカナブン、ハナムグリは似てはいますが別物です。
コガネムシは成虫が葉っぱを幼虫が根っこを食べてしまうため害虫扱いされているのに対して、カナブンとハナムグリは成虫が樹液や花粉、幼虫が腐葉土を食べるので益虫扱いされていることが多いです。
一緒くたにされることが多いのですが植物を育てている人達にとっては神経質にならざるを得ない理由があるのです。
よく似てはいますが区別できないこともないです。
ざっくりと言うと全体的に丸みを帯びているのがコガネムシで、角ばっているとカナブンかハナムグリです。またハナムグリには背中に斑点が浮かんでいることが多いのでそれで判別が可能になります。
ハナムグリは花潜りなので花粉を食べるためにせっせと花に入って行く姿が想像できますね。
もし見かけたら以上の特徴を観察して見てください。
中南米にはプラチナの名前を冠したプラチナコガネが生息しています。
色は通常のコガネムシのように緑や赤のものもいるのですが、その中に白や淡い黄色の色彩を持つものが出てくるのです。さらに特徴的なのがそのツヤです。
通常のカナブンでもたまにメタリックな質感をもった子が居ると思うのですが、プラチナコガネになると鏡と同じように周りの景色を映し出せるほどになります。
これらの要素(白や淡い黄色+メタリックな光沢)が合わさり、まるで貴金属を見ているかのようなコガネムシが誕生するというわけです。
金や銀、そして名前になったプラチナといった貴金属の色を網羅しています。
その見た目の美しさから標本も高値で取引されるほどです。名実ともに空を飛ぶ貴金属と言うわけです。
とは言え彼らに金属に似ていると言ってもそんなことは露知らずでしょうから、偶然でここまで昆虫と金属が似た姿になるというのは非常に興味深いことです。