2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

青空文庫読書日記④ 感想『蠅』横光利一

はじめに 青空文庫には膨大な作品が公開されているため偶然の出会いというのが楽しめます。全体の作家名、作品名を眺めていって気に入ったものを読み始めるわけですが、見知らぬ土地へ気軽に旅行に行くような感じがあって面白いものです。少し残念なのは青空…

アリによく似た生き物③ シロアリ

人間は様々な物を食べて毎日を過ごしています。三大栄養素に数えられるのは炭水化物、タンパク質、脂質です。これらの物質は体内に入ると特定の酵素によって分解され(異化)、体内に必要な形に変換(同化)され利用されています。 よく耳にする栄養素に食物…

アリによく似た生き物② アリガタハネカクシ

アリによく似た生き物として前回はハエトリグモの仲間であるアリグモをとりあげました。 今回も見た目がアリによく似た生き物であるアリガタハネカクシを紹介します。 アリはハチ目アリ科の昆虫ですが、アリガタハネカクシはカブトムシやカミキリムシが属す…

アリによく似た生き物たち① アリグモ

部屋の窓を開けようと近寄ってみると、見慣れた姿の虫が窓を這っているのが目につきました。黒くて丸い団子が三つ連なったような姿に、頭ほどもある触覚は直角に折れ曲がっています。このアリ困ったことに隙間から内側に入り込んでしまったようです。ティッ…

『生命科学者たちのむこうみずな日常と華麗なる研究』(仲野徹)を読みました。

『生命科学者たちのむこうみずな日常と華麗なる研究』仲野徹、河出文庫 自らも大学の教授、研究者であり、無類の伝記好きと言う著者が生命科学者を中心に18人をセレクトした解説書です。 章は4つに分かれていて、「第一章 波乱万丈に生きる」では野口英世、…

江戸時代憧れの口紅は緑色だった!? 笹紅色

谷崎潤一郎の『陰影礼賛』の感想を書いたのですが、その中に気になる記述がありました。それは「そして私が何よりも感心するのは、あの玉虫色に光る青い口紅である」と「古人は女の赤い唇をわざと青黒く塗りつぶして、それに螺鈿を鏤めたのだ」という表記で…

青空文庫読書日記③ 感想『陰翳礼賛』谷崎潤一郎

はじめに 今回は谷崎潤一郎です。有名な作家の一人なのですが、いつか読もうと思っていても、なかなか手に取る機会がなく、ここまでずるずると引っ張ってきた作家でもあります。ブログに書くという理由をたて谷崎作品デビューとさせていただきます。 今回は…

永遠の命への一つの解答 ベニクラゲ

生き物が避けては通れない問題のひとつが死です。 ガラパゴスゾウガメやホッキョククジラなど100年を超す寿命を持つ動物がいたとしてもしても最終的には生命活動は終わり、細胞同士の連帯は崩れていき、分子や原子といった要素にまで還元されていきます。 不…