ロクショウグサレキンモドキ 木が青く染まっていく

今回の記事ではロクショウグサレキンモドキをご紹介します。

漢字で書くと緑青腐れ菌もどきなので名前からして渋滞を起こしています。

最初に言っておきますがキノコです。

 

緑青(ロクショウ)とは銅が参加した際に形成される青錆びのことです。皆さんも古い十円玉に青や緑の色がついているのを見たことがないでしょうか?あれが緑青です。

酸素、二酸化炭素、水分と様々な塩分などと反応した結果形成されます。ただし緑青は表面の銅が酸化して生じるのですが、それが膜となって内側の銅を守るように働きます。

鎌倉の大仏も銅像なのですが色が青くなっています。つまりは緑青によって錆びているのですが、そのおかげで長らく姿を保っているのです。

 

ロクショウグサレキンモドキはこの緑青のような色を持ったキノコと言うわけですね。

さてそうなるとロクショウグサレキンモドキは錆びていて、腐っていて、菌で、しかも偽物という何だか近寄りがたい名前の持ち主ですね。もう少し詳しく見ていきましょう。

 

キノコはどうやって栄養を取っているかで分類をしています。

植物と一緒に協力関係を築いていれば共生菌、一方で死んだ植物を食べて分解するなら腐生菌です。他にも生きている木から栄養を奪うだけの寄生菌も居ます。

つまりクサレキンとはこの腐生菌であることを意味しているのです。

そしてモドキは元々ロクショウグサレキンというキノコがおり、それとよく似たキノコであることを意味しています。

 

またキノコは菌なのですがその中でも分類上の区別があります。

いわゆるシイタケのようなキノコと言われると思い浮かべるあの形のものは担子菌類と言います。ロクショウグサレキンモドキはそうではなく酵母やカビを含む子嚢菌類のキノコです。このタイプのものは大きな傘を作ることが少なくロクショウグサレキンモドキの傘も小さくなっています。

 

どちらもアクアマリンを想像させるような非常にきれいな色をしています。傘の部分だけでなく菌糸にも色があるので木の表面が青みを帯びていく姿も確認できるそうです。

このキノコで青くしたオーク材の工芸品や染め物もあるらしくそれらも一度目にしてみたいものです。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

参照元:「札幌近郊のきのこ ロクショウグサレキンモドキ」
http://s-kinokonokai.sakura.ne.jp/kinoko/common/rokusyougusarekinnmodoki.htm

参考元URL キノコの写真・解説