自由連想① お題:10円玉
思いつくままに文章を書いてみる。
1回で1000文字程度まで自由連想。
多分何がお題になっても1000文字程度ならかけるはず。
と言うわけで今日は引き出しに意味もなく入っていた10円をテーマにします。
10円と言えば一番最初に思い浮かぶのが「ギザ10」だ。
子どものころおこづかいをもらったり、お釣りをもらうたびに十円の縁を確認していた思い出がある。
何の変哲もない10円にレアな奴が存在する。それだけの事実が私の熱意に火をつけたわけである。ギザ10は昭和26年から33年かけてに製造された10円玉でその名の通り縁に100円玉のようなギザギザが入っている。そして何故か他の年代に比べ妙に薄っぺらい。
ともかく子どものころの私はギザ10を見つけようものなら大変な喜びようであった。
市場価値的には最大で30円ほどにはなるそうだ。
だが売るために集めていたわけではない。あくまで珍しい昆虫を見つけたらとりあえず採集する虫取り少年のような気の持ちようであったのだ。
今はあの頃ほどの喜びは感じられなくなったけれども、あるとちょっと嬉しい気持ちになったりする。同じような感覚で昭和64年の硬貨とか入っていないか財布を確認してしまうことがある。この年は昭和最後の年でもあるが平静最初の年でもある。昭和64年は1月7日までしかなく、この短い期間を彫られた硬貨も珍しいのだ。
ところで10円玉と言えばもう一つ子どものころに夢中になっていたことがある。
それがきれいな10円玉を探すということだった。
一般的に見られる10円と言えばミルクチョコレートのような色をしていて輝きを失っていることが多い。ところが新しめの奴はメタリックな輝きをまだ有しているのである。同じ10円か疑わしいほどに色が違う。
さらに水中に長く入っている奴に至ってはエメラルドグリーンになっている奴もおり、子どものころはその10円の種類の多さに驚いていた。とはいえ汚れていたり錆びたりは状態であって種類とは言えないのだが……。
これらの結局茶色くくすんでも、緑青を生じても酸化であるということを知ったのは高校生の時だった。鎌倉の大仏とかも元々銅色だったのが、雨風にさらされてあの色になったと知ったときは衝撃的であった。10円と同じ現象があの規模で起こっていたのいたのかと変なことに感心していた。
ただこの事実を理解する前から小学生のときにタバスコをかけると綺麗になると聞いて実際に試した思い出はある。確かに完ぺきとは言えないが輝きを取り戻していたが当時酸化還元の知識もなく、単純にすごい!と驚いて悦に入っていただけであったような気がする。何にしてもあの頃は何でも面白かったものだ。
今日はこれでおしまい。
ここまで読んでいただきありがとうございました。